怒りの街、ブエノスアイレス

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ブエノスアイレスは昼間に昼寝をして夜は眠らない街となる大都市です。ラテン系のこの街ですが、建築物、タンゴ、美食、サッカー、演劇、音楽や民族の伝統などヨーロッパ系の側面があり、私たちを楽しませてくれる、さまざまな表現方法を持つ街です。また、ブエノスアイレスは立ち止まることなく何度も大きな革命を重ねてきているため、好きな人は好き、嫌いな人は嫌いと極端になってしまう街とも言えます。ソダ・ステレオの曲にもあるように、「怒りの街」と呼ばれるのも納得できてしまう場所です。

しかし、だからこそ、その言葉の意味を知るために人々はブエノスアイレスを訪れるのです。

ブエノスアイレスは彩りに溢れ、根強い文化があり、でも少しおもしろおかしい一流の街です。また、ユーモアがあり、創造性も高く、劇場、映画館、文学や音楽の中でよく耳にする街でもあります。そのため、世界中から知られており、訪れた人々はどのような悲しみに明け暮れていたとしても、街の活気に元気付けられます。

ブエノスアイレスは、歩いて散策するのにぴったりの街で、一度訪れた人は皆もう一度来たいと思う傾向にあります。古代と現代が入り混じったこの街では、ラテンアメリカ調の建物の横にヨーロッパ調の建物が並んでいるというブエノスアイレスならではの景色を目にすることができます。30階建ての建物の横に3階建ての建物を造ることで、昼間働く人や夜外出している人の部屋がどこかを分かりにくいように工夫しています。この街は昼夜が逆転している人が多いので、朝の3時にベッドに入り、何もなかったかのように朝9時に仕事が始まることも少なくありません。

ポルテーニョと呼ばれるブエノスアイレス生まれの人の原動力は、ラテンアメリカとは少し違い、建造物と同じように、街行く人それぞれが思い思いの服装、髪型、タトゥーや肌に模様を施すなど、忙しない世の中から自らを差別化しようとしています。

ブエノスアイレスを旅することで、まるで過去に戻ったかのような経験が得られます。ひとたびカフェに足を踏み入れると、会話やご飯を楽しむ人で溢れ、そこには携帯電話やパソコンはありません。人と人との繋がりを分断しないためでもあり、他の街とは少し違った特徴です。ブエノスアイレスでは、どこへ行っても誰しもが、みんな友達、みんな家族という考えを持っているのです。

ブエノスアイレスには観光者も楽しめる場所が多岐に渡ってあり、歴史を感じられる場所・現代に造られた場所・緑に囲まれた場所・博物館・音楽や演劇・墓地・文化を知れる場所・フットボールなど、さまざまなブエノスアイレスの顔を見て楽しむことができます。

少しだけご紹介しましょう。

オベリスク: 大きな柱

おそらくここがブエノスアイレスで最も象徴的な観光地と言えるでしょう。オベリスクは、ブエノスアイレスの中心部であるマイクロセンターにあり、世界一広い通りに立っているため、観光者にも分かりやすく目に付く場所です。

ブエノスアイレスの大きな柱、オベリスク。
ブエノスアイレスの街ができて4世紀を祝して、アルゼンチンの近代主義の先駆者であり、グランレックスシアターの著者でもあるアルベルト・プレビッシュによって1936年に建てられました。

プラザ・ド・マヨ、カサ・ロサダ、大聖堂と市庁舎

オベリスクから少し歩くと、プラザ・ド・マヨにたどり着きます。ここはブエノスアイレスの街だけではなく、アルゼンチンの国にとっても象徴的な場所で、国の伝統深い催し物が頻繁に開催されます。

プラザ・ド・マヨの向かい側にあるのが、カサ・ロサダで、ここには大統領の事務所があります。そしてそのまた向かい側には、植民地時代に建てられた大聖堂と古い市庁舎があります。現在敷地は縮小されましたが、ここは五月革命が成された場所であるため、1810年5月25日には祖国記念日として催し物が開催されました。

プラザ・ド・マヨの向かいに中央政府の本拠地として建てられたカサ・ロサダ。
このピンクの建物は1580年、ブエノスアイレスの砦があった場所に建設されました。ここにはスペインの総督が住んでおり、中央政府の権威の証ともなっていました。

サンテルモとサン・テルモマーケット

モンマルトルの素朴な美しさと、ラテン系の可愛らしい美しさを兼ね備えた、ブエノスアイレスの自由奔放な一面が見られる場所です。ここは特に日曜日に訪れるべき場所で、日曜日は混雑もしておらず、また、サン・テルモマーケットが開催され、さまざまな出店を見ることができます。観光客だけでなく、地元の人々も散歩がてらにおいしい料理を求めてやってきます。

そして、サン・テルモ広場ではストリートタンゴを楽しむこともできるんですよ!

ブエノスアイレスの中で最も楽しい催しの1つ
サン・テルモマーケット。

ボカ地区: カミニート

ここも、ブエノスアイレスへ観光に来た人々がよく訪れる場所です。入口から道路まで彩り鮮やかな景色が見られるカミニートは、多くの人を魅了しています。ここには、サッカーファンにはたまらないであろうボカ・ジュニアーズスタジアムがあり、ラ・ボンボネラの中を見ることもできます。

カミニート
ここはカミニートらしさを象徴するストリートの1つで、長屋にさまざまな色を塗り、野外博物館のように造っている街です。150メートルほど続いているので、ぜひ立ち寄ってみてください。

レコータ墓地

ここは、1822年にこの街で初めて建てられた墓地です。当時この国は、ある投資家によって莫大なお金が街のパンテオンにかけられ、新興国として成長を遂げている時期でした。この墓地にはエヴァ・ペロン(エビータ)が埋葬されており、歴史を知ることもできます。

レコータ墓地
ここは、壮大な墓地で地下に納骨所もあり、アルゼンチンの歴史の主要部分を知ることもできるため、多くの人が観光に訪れます。

コロン劇場

ここは、この街に来たら必ず訪れてほしい場所であり、世界にとっても重要な劇場です。1908年5月25日に初公演が行われて以降、100年以上の間人々に親しまれてきました。ブエノスアイレスに来たら一度立ち寄って損はしない場所といえます。

コロン劇場
コロン劇場に一度訪れると感動することは間違いなしで、その感動はミラノのスカラ座、パリのオペラ座やロンドンのオペラ劇場に並ぶほどです。

キルチネル文化センター

かつて郵便局として使用されていたキルチネル文化センターは、現在は博物館や、展示会の会場として使われています。どの階にもさまざまな芸術作品が飾られ、9階には交響楽団が使用するコンサートルームも設置されています。また、景色を見ながら、地元の食品を使った軽食や夜ご飯を楽しむこともできます。たくさんのイベントが実施されているので、ぜひ行く前に一度インターネットで日時などの情報を入手するようにしてください。

キルチネル文化センターは、広々とした敷地と、目を楽しませてくれるさまざまな芸術作品により、多くの人の目を肥やしてきました。10万平方キロメートル以上の広さを持つこの文化センターは、世界でも重要視される場所の1つです。
上記の写真はキルチネル文化センターのウェブサイトから引用しています。

パレルモ湖と森林

街に溢れる建物の中には、緑は必ず必要です。ブエノスアイレスは街自体が広く、大きな公園もあります。特にパレルモ湖には広大な緑が広がり、木々も生い茂っているため、外で太陽の光を浴びながらピクニックするのに最適です。また、湖もあるため、健康のために走るなどのエクササイズも楽しみやすい場所です。

円形の湖とバラ園のある、パレルモの森として知られるこのトレス・デ・フェブレロ公園は、緑溢れる場所として街中の人々に知られています。この公園では、エクササイズをしながら、合間に歩いたり木陰で休んだり飲み物を飲んだりと、一息つくのに立ち寄るという過ごし方が理想的です。観光で来る方にとっては、観光中の休憩の一貫としても使用できます。

エル・アテネオ書店

エル・アテネオ・グランド・スプレンディドも、ブエノスアイレスで外してはならない場所の1つで、かつては劇場として使われていましたが、20世紀に入り改装されて、コーヒーを楽しみながらたくさんの本と触れ合うことのできる大きな書店に生まれ変わりました。

アテネオ・グランド・スプレンディド
ここは、イギリスの新聞出版社により、世界で2番目に美しい書店とされました。レコレータの近隣にあったグランド・スプレンディド劇場の、優雅で壮大な風貌や以前から使用されていた飾りが今でも残っています。

夜の

ブエノスアイレスの夜は最も盛り上がる時間帯で、行動範囲も広げられます。 セラノ広場は出発地点として相応しく、満席のバー、レストランやディスコがたくさんあります。ブエノスアイレスに行く時には必ず、ピザ、ドゥルセ・デ・レチェというお菓子やキャラメルクッキーを一度はお試しください!やめられない味ですよ!アサードというアルゼンチンの焼肉料理もお忘れなく!

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