カリーニングラード: ヨーロッパ、ロシアへの旅

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無愛想で暗く、孤立し忘れられがちな街、カリーニングラード。旅をするにあたり人は、足を運ぶ場所とそうでない場所を決定しています。それは偏見の詰まったインターネットでの口コミや写真が理由となることが多く、ほぼ無意識でその取捨選択を行っています。これはどこを訪れようと起こり得ることで、ヨーロッパを行き先にするとより頻繁に起こる傾向にあります。

しかし、少しだけ考え方を変えてみてください。ヨーロッパを時間の無駄なく周りたい?カリーニングラードは、リトアニアとポーランドの間にあるバルト海の少数民族集団です。この地は、第二次世界大戦が終戦を迎え、ポツダム宣言が成され、ソビエト連邦が勝ちヒトラーが負けを認めた証なのです。

第二次世界大戦が終わるまでは、カリーニングラードはソビエト連邦の植民地ではありませんでした。ソビエト連邦とナチスドイツが反発し合った末のポツダム宣言により、東プロイセンは3つに分断されました。1つはポーランドへ、1つはリトアニアへ、しかしその後リトアニアはソビエト社会主義共和国の一部となったので実質はソビエト社会主義共和国へ、もう1つはロシアへと植民地化しました。ケーニヒスベルクはカリーニングラード州の周りにあるモスクワの街でした。カリーニングラードという名前は、ソビエト社会主義共和国の設立者の1人であり、1938年から1946年までの間大統領を務めたミハイル・カリーニンの名が由来しています。

ドイツ人はかつてケーニヒスベルクと呼ばれていたバルト海の少数民族集団(現在のカリーニングラード)を、国の長所だと考えていました。その場所を訪れると、きっとそう考えられていた理由が見えてきます。ケーニヒスベルクは港町で、その広大土地はほとんど手を加えられていませんでした。NATO(北大西洋条約機構)の近くに位置することからも、ソビエトからするとこの地は楽園のような場所でした。また、ソビエトとヨーロッパ各地の間を、海を経由しての行き来や海上運送が可能となりました。

カリーニングラードの建造物

1945年に併合されて以来、クレムリンはその少数民族集団を利用し始めました。カリーニングラードは、地理的に他と離れていることから、北ヨーロッパに対するロシアの守備戦略の一部となりました。そのため、分離主義者の魔の手から、街の行政を守るべく、ロシアの強力な支配下にありました。

しかしこの地域はドイツに7世紀近くもの間支配されていたため、カリーニングラードらしさは出てきたものの、未だにドイツの信念は抜けきっていません。激しい戦いの中、イギリスは1944年に爆撃され、1945年1月から4月にもまだその傷は残っていたため、ドイツにとってはさまざまな行動を取りやすい状況がつくりあげられました。また、1960年頃に取り壊されたある城は、その後ハウス・オブ・ソビエトとして知られる、未完成の建物に姿を変えました。

そんなカリーニングラードに訪れることで、非常に大きな経験を得ることができます。ドイツの国の信念が消えても、今度はロシアとしての特性を得ようとしていますが、カリーニングラードからロシアの首都であるモスクワは1000キロ以上離れた場所にあるので、地理的に少し難しく感じてしまいます。暗くて無愛想な印象のあるこの街ですが、実は楽しくて華やかな街です。ここで暮らす人々は、過去のことを気にしすぎることなく、明るくリラックスして過ごしています。カリーニングラードを訪れると、その人柄の良さに心惹かれることでしょう。英語を話す人はまだ少ないですが、努力して理解しようとはしてくれます。

あまりよく知られていない街ですが、観光業はこの街の経済に大きな影響を及ぼしています。ここの観光者の多くはドイツから来ているのです!

この大聖堂は、1990年代に一度は廃墟と化しましたが、権威者によって再度街のシンボルとなりました。その権威者は、大聖堂の中に可動式の椅子を取り付け、1日に2回行っているオルガンのコンサートを聴くことができるようにしました。冷戦の傷から立ち直るために、正統派・ルター派の礼拝堂も建てました。また、戦時中無事だった他の教会については、交響楽団や人形劇などのコンサートホールとして使用するようになりました。かつてソビエトは、このような宗教に関わりのある建造物を残すということは気にも止めていませんでした。

地元ではカント(歌)の島として知られるクナイプホーフ島の歴史の深い地域にある、
現在は教会としては使用されていない、カリーニングラード教会。
何世紀もの間、ケーニヒスベルクのカトリック教会として使用されていました。
ソビエトの時代には、教会は文化遺産として取り扱われていました。

終戦後少しして、街からドイツ人は全て追放され、モスクワやカザンに以前住んでいた、ドイツ人以外のポーランド人やリトアニア人の血が入ったロシア人の人々生活を始めました。そして外見上、住民は100%ロシア人となりました。しかし実際のところは、軍事的に敗北したとはいえ、ドイツの文化は根強く残っていました。また、ケーニヒスベルクは、世界的に有名な哲学者イマヌエル・カントの生まれ育ち、勉学に励み、亡くなった地でもあります。彼は生前、ケーニヒスベルクから150キロと離れた場所には行きませんでした。彼の遺した「sapere aude(あえて賢くあれ)」という言葉は、学問に制限をかけてしまったため、彼は哲学を突き詰める旅に頻繁には出かけませんでした。そして没後、彼が唯一よく知るこの街の大聖堂に埋葬された際は、世界的な啓蒙思想家の生涯の幕の閉じ方が世界に衝撃を与えました。「ケーニヒスベルクの7つの橋問題」は、カントが提起したもので、ある日曜日の朝友人を自宅に招待したカントは、友人らに「2回以上通ることなく、この7つの橋全てを渡りきることができるか」と尋ねました。この数学的な謎を敢えて解きたいと思いますか?そうであれば、ぜひこの素晴らしい街に足を運び確かめてみてください!もしそうでなければ、オイラーの話をインターネットで確認してみてください。

イマヌエル・カントのお墓

カリーニングラードへの行き方は?実はこの街は、一度ロシアの別の街を経由しなければならず、直接行く方法はありません。そのため、観光者にとっては少し大変に感じてしまうかもしれませんが、どこからでも比較的スムーズにたどり着くことができます。電車、船、車や飛行機など移動手段はたくさんありますよ。

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