歴史マニアにとって、カルカソンヌの楽しみ方がたくさんあります。丘の上に腰掛けるこの中世から続く街は、フランス南部のラングドックにあり、古くから残るもので溢れています。中でも中世時代から残る歴史的要塞都市カルカソンヌは、ユネスコ世界遺産に登録されています。
そして、このラングドック・ルシヨン地域はワインの生産地なので、ワイン好きの人もぜひカルカソンヌを訪れてください。ブドウ園を巡ったり、ワイナリーでワインテイスティングをしたりとさまざまな楽しみ方がありますよ。
フランス(France)カルカソンヌで人気のある行き先やアクティビティはこれだけではなく他にもたくさんあります。それでは詳しくみていきましょう。
歴史的要塞都市カルカソンヌの散策

その歴史は3世紀のガロ・ローマ時代まで遡りますが、歴史的要塞都市カルカソンヌは魅力が絶えません。この城塞はいくつもの塔と壁に覆われているのが特徴的で、もしそこにある石が喋ることができたとしたなら、きっとローマ人、西ゴート族や十字軍の、何世紀にも渡る街占領の争いの話をしてくれることでしょう。
また、この城塞は特徴のある造りをしていて、その例がシャトー・コムタル(Château Comtal)やカウント城(Count’s Castle)です。これらの建物には、楼門、窪み、丸い塔や間仕切りがあり、中世軍事基地の標本のような造りになっています。そしてナルボンヌ門やそこにある2つの大きな塔も同じく、中世の軍事的な防衛システムの代表例です。

19世紀、歴史的要塞都市カルカソンヌでは大きな改装が行われました。パリ(Paris)のノートルダム大聖堂の改装も手がけた、建築家ウジェーヌ・ヴィオレ・ル・デュクがこの改装を提案しました。
現在、ここはフランスに訪れる観光者の多さでトップを誇っている城塞であり、2位にはパリのエッフェル塔がランクインしています。この城塞を探検していると、古くから多くの壁に感銘を受けることかと思います。また、軽食や飲み物が飲めるカフェやレストランもありますよ。滞在場所は、ゲストハウスやB&Bから、5ツ星のホテルまで宿泊施設の選択肢も多数あります。
カルノー広場で楽しむ

多くの人で賑わうカルノー広場は、地元ならではの雰囲気を味わうことのできる場所です。下街やヴィレ・バッセの名でも知られるバスティッド・サン・ルイの近くに広場はあり、これは城塞の下方の地域に当たります。
中世時代からあるこのカルノー広場は、現在は下街の中心地であり市場が集まる場所となっています。また、カルカソンヌマーケットも週に数回の頻度で開催されていますよ。

カルノー広場は音楽祭、ワインテイスティングや他にも多数のイベントを年間を通して行っています。冬場にはスケートリンクが置かれ、多くの人が集まります。また、テラス席のあるカフェもたくさんあるので、ネプチューンの噴水周辺を行き来する人の姿を見ながら座って飲食を楽しむことができます。カルカソンヌの街でリラックスした時間が過ごせますよ。
ミディ運河を周遊する

ミディ運河の歴史は1600年に遡り、当時工学者であったピエール・ポール・リケが大西洋と地中海の間にミディ運河を建設することを推進しました。建設後ミディ運河は、ワイン、小麦や他にも多数の製品を運ぶのに使用されるようになりました。現在は、荷船がが行き来したり、人を乗せて行き来したりしています。
この運河は240km(149マイル)もの長さがあり、トー湖からトゥールーズ(Toulouse)まで繋がっています。運河沿いからは、ブドウ園、森林やひまわり畑などフランスの美しい景色を見ることができます。

また、絵画のように綺麗な街や村も運河の側にはたくさんあるので、クルージングを楽しんでいる間にぜひ立ち寄ってみてください。地元の文化を知ることができたり、新しく友達を作ったりする良い機会になりますよ。レストランに行き、この地ならではの伝統料理カスレを食べることも忘れないでくださいね。
博物館を訪れる

もし美術作品に興味があるようであれば、ぜひカルカソンヌ美術館(Musée des Beaux-Arts de Carcassonne)を訪れてください。古くから残る要塞が保存されているこの建物は、1836年につくられました。2015年に外観が改装されました。
カルカソンヌ美術館には、17世紀から現在までの芸術作品が多数保管されています。中には、18世紀のカルカソンヌの芸術家Jacques Gamelinの作品もあります。タペストリーや陶器の展示もされていますよ。

そして他にも訪れてほしいのが、審問博物館(Musée de l’Inquisition)と拷問博物館です。これらは要塞都市の中にあり、ハッとさせられるような、この地域の暗い宗教の歴史を見ることができます。審問は13世紀から18世紀の間に広まり、カトリック教会の教えに反した人の迫害を行っていました。
また、この博物館では拷問に関する展示もされています。当時のさらし台は木製の枠に、人の両手を固定できるように穴があいています。そして疑わしい人は、釘が散りばめられたユダの椅子で苦しんでいました。
宗教に関連する建物に感銘を受ける

サン・ナゼール大聖堂とセルサスは、城西の中に置かれています。宗教関連の建物が好きな人は、カルカソンヌに訪れた際には必ず足を運んでください。12世紀に、伝統のあるゴシック・ロマネスク調を使用してつくられた国定記念物です。
この大聖堂は南フランスで最も美しいと言われているステンドグラスの窓が特徴的です。また、教会に置かれているオルガンも見る価値がありますよ。フランスで最古とされているこの建物は16世紀に改装されました。

1247年、サン・ミシェルの教区教会として建てられましたが、1803年から保管されている大聖堂についての書物によると、カルカソンヌ大聖堂のほうが少し古くからあったことが分かっています。これらのゴシック調の建物は、要塞を彷彿とさせます。1849年に火事に遭いましたが、ヴィオレ・ル・デュクによって改装工事が成されました。
建物の正面には、大きな薔薇が描かれた窓がありますが、大きさの影響で、隣接する塔のほうが目立っています。大聖堂内部は、14世紀頃から残る美しいステンドグラスの窓があります。本堂も素晴らしいもので、高さが20m(66フィート)もあります。